









序 章
霊界が見える少女

北谷太基さんが、京都で行われている「希望の火声明」の動画を、8才の娘・千春ちゃんに見せた時のことだった。
それを見た千春ちゃんは、ふいにこう言った。
「ここは、すごく大きな光の玉で守られているよ」
それだけでも十分に驚くべきことだったが、千春ちゃんはさらに続けた。
「このお経(希望の火声明のこと)を唱えると、死んだ人がみんな良い魂になるから、お父さんもやったらいいよ」
北谷さんは思わず「えっ、そうなの!?」と聞き返し、なぜそれが分かったのかを尋ねた。
千春ちゃんは、しばらく言葉を探すようにして、「何か感じたような」と答えたという。
さらに、二階に祀られている阿弥陀如来の絵像に聞きに行ったところ、「やっぱりそうだった」と確信したのだそうだ。
それ以来、北谷さんは、より熱心に「希望の火声明」を実践するようになった。
すると千春ちゃんは、不思議な光景について話すようになった。
北谷さんが二階で声明を行った日には、「今日はすごい光の玉がたくさん飛んでいた」と言う。場所を尋ねると「全部」、しかし「特に二階が多かった」とも語った。
そこは、ちょうど声明を唱えていた場所だった。
朝、目覚めた千春ちゃんは、「今日から何か変わった」とも言った。
家の照明が、青やピンク、紫といった色に見えるようになったという。
そしてその視界の中でも、神棚のあたりが「一番」だと語る。
「今も見えたもん」。
その神棚には、龍の姿も現れるという。
千春ちゃんが描いた龍の絵は、首だけでも大きな弧を描くほどの巨体だった。


ちはるちゃんが書いた龍の絵
けれども、その龍について聞かれた千春ちゃんは、怖がる様子もなく、こう答えた。
「お話ししたことがある。優しい感じ」
また千春ちゃんは、太陽にも神様を見るという。命について尋ねたことがあったが、神様は何も答えず、ただニコニコと笑っていたそうだ。
「希望の火声明」が行われている京都道場で見た光の玉は、ひときわ印象に残っているらしい。千春ちゃんは「めっちゃ金ピカ」だったと語った。
さらに、阿弥陀如来が様々な神様たちに、それぞれ違う色の光の玉を渡している夢を見たことも話してくれた。
もっと他に何かすべきことはあるのか、北谷さんが尋ねても、千春ちゃんは「わからない」と答えた。
「そんな、神様のことを全部知っているわけじゃない」
その言葉には、子どもらしい素直さと、自分にも分からないことは分からないと言える強さがにじんでいた。
北谷さんが「希望の火声明」を唱える隣で、千春ちゃんも一緒に声を合わせることがある。
その時の感覚を聞くと、千春ちゃんは迷わずこう答えた。
「あったかい感じ。良い魂になる」
北谷さんは最後に、こう尋ねた。「じゃあ、亡くなった人にも、生きている人にも良いことだから、みんながやった方がいいってこと?」
千春ちゃんは頷いた。
その頷きを見て、北谷さんは娘に向かって、やさしくこう語りかけた。
「お父さん、千春にそう言われたからやっているんだ。
本当にそうなんだって。千春のおかげだよ」

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