序 章
インドの街に響いた “希望の火声明”
1 人類はじめての宗教融合
2023年9月。
僕はインド仏教の聖地・ナグプールにいた。
法話と、「希望の火声明」を人々が体験するワークショップ指導のためだ。
――また、「希望の火声明(しょうみょう)」とは、
さまざまな宗教のマントラを、同じメロディで唱える試み。
人類史上、これまでにない実験だった。
「いったい、どうなるんだろう?」
少し不安もあった。
参加者は、仏教徒、ヒンドゥー教徒、シーク教徒、ジャイナ教徒――
まさに宗教のるつぼだった。

宇宙大霊との融合体験
氣の体験ワークを終えたあと、いよいよ声明の時間が来た。
僕は冒頭で言った。
「これから、宇宙大霊と融合する体験学習を行います。
宇宙大霊にはいろんな名前がありますが、根源はひとつです。
どの宗教のマントラも、その根源へ向かう道です。
今日は、宗教を超えて、すべてのマントラを共に唱えましょう。」

祈りがひとつになる
4人で1組になり、1人が横になり、3人が囲む。
それぞれのマントラを、同じメロディで唱えながら、
互いの幸せを祈る。
仏教徒も、ヒンドゥー教徒も、シーク教徒も――
みんなが異なるマントラを唱えながら、
美しいハーモニーの中で静かに瞑想へと入っていった。
その瞬間、僕は感じた。
――「いま、人類が宗教を超えた。」
人類は、いま宗教カルマを越える時代に入っている。
この日、僕はその夜明けを、確かに見た。

*龍樹菩薩(サンスクリット名、Nāgārjuna)は、2〜3世紀頃の人で、大乗仏教を大成したんだよ。

2 龍樹の地に響く、癒しの声明
翌朝は、仏教寺院での法話とワークショップ。
「ここナグプールは、大乗仏教を大成した*龍樹菩薩ゆかりの地です。」
そう語ったあと、会場を見渡して尋ねた。
「どこか痛いところがある人は?」
ほとんど全員が手を挙げた。
痛みの大地、祈りの歌
胸が締めつけられた。
アーリア人の侵入、カースト制度。
その歴史が、民衆の心と体に深い痛みを刻んでいる。
――この大地の人々は、何世代もの苦しみを背負っている。
僕は言った。
「では、“希望の火声明”によって、その痛みがどう変わるか――体験してみましょう。」
祈りの輪
4人で1組になり、1人が横たわる。
3人はその人の痛む場所を聞き、仏の姿をそこに重ねて祈る。
「*ナモ・マハ・ブッダ」
インド仏教のマントラが、希望の火のメロディで唱えられた。
*ナモ・マハ・ブ ッダの意味は、『偉大なるブッダに帰依します」だよ。

光の降臨
僕は静かに諸仏・菩薩・神々をお迎えした。
人々は祈り、歌い、声を合わせ、
会場に美しいメロディで響いていく。
やがて――
数え切れぬほどの仏・菩薩・神々が来臨されたのを感じた。
やがて諸霊の救済と、魔の浄化が始まった。
会場全体が、聖なる光の場へと変わっていった。
痛みが癒える
唱和が終わったあと、僕は聞いた。
「痛みはどうですか?」
みんな微笑みながら言った。
「軽くなりました。」
会場には、やわらかな光と安堵が満ちていた。
